2017年9月9日土曜日

信州仏像巡り⑤(清水寺の聖観音)

松代の清水寺で最後に紹介したいのが、平安時代の聖観音だ。像高160センチ
あまりの桂在一木造りで千手観音・地蔵菩薩と同時期の造像で、信州における最古の木彫仏だ。頭部を左に傾け、左手を上にあげ、右手を垂れ、左の膝を軽く緩めて、右足を踏み出す像の姿に動きがあり、然も肩の張りが極めて大きく、胴部を強く締めたその肉どりにも特色がある。膝下の裳の衣文はいわゆる翻波式衣文で、平安時代初期の仏像の特色をはっきりと示している。私が注目したのは頭部の表現で、まるで帽子を被っているようにも見えた。三体それぞれ特色があるうえ、まだ修復されていなかったり、江戸時代の補色を取られていない仏像があり見どころが多いお寺だった。丁重にお礼をいい清水寺を後にして善光寺へ向かった。

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