2017年9月2日土曜日

快慶展③悲田院の阿弥陀如来

今年の春、奈良博で開催された「特別展快慶」に京都東山南方の地に伝わる
の悲田院の阿弥陀如来が出展されていた。事前に多摩美大の青木先生のコラムにお寺での阿弥陀如来の写真を見ていたので、光背なしの展示だったが化仏と蓮の花と思われるすばらしい荘厳に彩られた光背を想像しながら拝観した。この仏像は平成21年の京博他の調査で頭部前面に「安阿弥陀仏」の墨書が発見された新しい快慶仏で、髻を高く結い上げ肩を露わにしない通肩の姿で、鎌倉浄光明寺の阿弥陀如来のように本来は髻を覆うように宝冠を被っていた宝冠阿弥陀だろう。悲田院は泉涌寺の塔頭寺院で最近買った雑誌によると藤原氏が創建した法性寺の跡地に建てられた寺院で文献によると「法性寺安阿弥陀仏」とし快慶が記されておりも近くに居を構えていたという。藤原一門の信西入道とのかかわりもあり藤原一族のとの交流も指摘されている。いつか訪れる機会があれば是非とも光背で荘厳された阿弥陀如来を拝観したいものだ。

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