2015年5月10日日曜日

日向薬師展

本日(9日)仏像クラブで県立金沢文庫に「日向薬師展」を見に行った。本堂の
平成大修理記念として秘仏鉈彫本尊が開帳されているからだ。2011年仏像クラブで行った「白洲正子展」のおり出展されるはずだったご本尊が東日本大震災の影響でとりやめになった。その後仏像クラブで伊勢原の日向薬師を訪れた際も本尊の厨子がしまっており、見れなかった。一階で特別出展の龍華寺の脱活乾漆菩薩像などを見ながら二階にあがった。私は真っ先に本尊の薬師三尊の前に向った。たぶん「仏の瀬谷さん」が執筆したと思われる図録作品解説によると、三尊とも桂の一木造りで、内刳りは施されていない。三尊は一面にノミ目が整然と横縞状に表され、いわゆる「鉈彫」だ。U会員も以前仏像クラブで行った弘明寺やみちのくの仏像展の天台寺聖観音をあげて夢中で食い入るように見ていた。かの白洲正子も「これ以上手を加える必要はない、手を加えれば全体がこわれてしまう、そういうぎりぎりのところまで到達しているように思われる」と日向薬師本尊を見た感想をのべている。それ以外の展示品では慶派の飛天像が残欠ながら迫力がありよかった。日向薬師で見た鎌倉時代の薬師如来か阿弥陀如来の光背の飛天だという。興味を惹かれたのは金沢文庫所蔵ガラス乾板写真で、収蔵庫にうつる前の仏像の写真が展示されていた。仏像クラブの面々も満足したらしく、本堂が来年完成したあとまた日向薬師を再訪しようということになった。充実した展覧会を見てツツジが見ごろな鎌倉のお寺へと向う仏像クラブの面々だった。

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