2013年2月16日土曜日

特別展飛騨の円空②

特別展「飛騨の円空」を鑑賞するにあたり、数冊の雑誌や本を読んだがその中で気になっていたのがこの「如意輪観音」だ。如意輪観音は通常6臂(ろっぴ)で手に如意宝珠と輪宝を捧げもつが、この如意輪観音は持物が省略され頬に手をぴったりとつけ静かにほほえんでいる。円空得意の簡略した表現だが、十二分に如意輪観音だということがわかる。有名な大阪観心寺の如意輪観音に似た雰囲気をかもし出している。「見仏記」でみうらじゅん氏は「円空仏とは過去の仏教美術を研究した上で生み出されたオリジナル仏だ」とのべているが、もしかしたら大阪観心寺の如意輪観音を円空も見てこの仏像を彫ったのではないか。仏教美術の研究の上に立って突き抜けるほど自由で先進的な造形に心動かされるため、会場では遠くから見ても近くで見ても美しいと感じた。迫力ある表現で解らなかったが、わりあい薄い木に彫られていた。いつまでも見飽きない仏像をながめながら会場を後にした。

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