2012年6月9日土曜日

興福寺食堂の千手観音

平成20年に奈良を訪れた際、興福寺を参拝した。特別公開の南円堂・北円堂や東金堂・五重塔を周り最後に国宝館に向かった。国宝館で有名なのは阿修羅だが、同じく国宝の「千手観音立像」もみごたえがある。鎌倉期の初めに成朝によって造像がはじめられたが途中でなぜか中断し、その後40年間も経過して完成した仏像だ。像高が5メートル20センチの巨像で充実した顔の表現や深く粘りのある衣文などから奈良仏師の作であることは間違いない。運慶の父康慶に後継者の地位を追われた成朝に代わり慶派仏師が引き継いで完成させたのだろうか。興福寺国宝館も新しくなってからまだ行っていないが、展示方法や照明も一新させたと聞く。いつか機会があれば訪れたいと思う。

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