2010年12月30日木曜日

法輪寺の十一面観音

法隆寺・中宮寺を拝観したあと、斑鳩を散策しながら古民家風の食堂で昼食をとってから法輪寺へ向かった。法輪寺は聖徳太子の御子・山背大兄王の発願の寺だ。境内は人気がなく静かなたたずまいだった。本堂の中は薄暗かったが、飛鳥時代のご本尊である薬師如来をはじめすばらしい仏たちが露出展示で居並んでおられた。ご本尊もすばらしいが、私が特に気に入ったのがこの平安時代に造られた十一面観音だ。あとで知ることになるが、この十一面観音はかの白洲正子が「十一面観音巡礼」で絶賛した仏だ。4メートル近い巨体は、正に「丈六」と呼ぶにふさわしい仏像で、お顔もふつうより男性的に造られ、全体からうける感じが力強い。私には目が大きくいわゆるギョロ目な観音様だと感じた。三重塔やこれらの仏たちの対面はこの旅行の中の忘れられない風景として深く私の心に残るだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿