2017年4月9日日曜日
2017年3月11日土曜日
祝・国宝2017
3月10日に文化庁より仏像5体の国宝指定答申がなされたニュースが入って きた。調布深大寺の釈迦如来倚像・法華寺の維摩居士と共に河内長野市金剛寺の大日如来・不動明王・降三世明王の三尊が指定された。なら仏像館で快慶の弟子「行快」の降三世明王に出会いその迫力に圧倒され京博で修復が終わった大日如来と不動明王を拝観した。文化庁の解説によると三尊の構成は円珍が中国よりもたらした曼荼羅に準拠する唯一の遺品とのこと。保存修理に伴う本格的調査の結果、この三尊像は半世紀をかけて造られ、以後おおむねその状態をとどめて今日まで伝えられていることが明らかになった。それも国宝指定の理由のひとつのようだ。東博で4月18日より国宝・重文展が開催されるが、三尊揃った展示を是非みたいものだ。
2017年2月4日土曜日
国宝阿修羅展の思い出①
平成21年春に開催された「国宝阿修羅展」で興福寺仮金堂に安置されている薬 王・薬上菩薩が出展された。鎌倉時代の製作で像高が3メートル半に及ぶ巨像で展覧会場で見上げるように見たのを覚えている。胎内納入品の木札より旧西金堂設置ということがわかっている。図録によると頭部が大きく、腹より上が短い寸の詰まったプロポーションで、腰を一方に捻るものの動きの少ない姿である。奈良時代の復古的な像が求められたという制約があったとしても、運慶の作風とは隔たりがある。運慶と近い奈良仏師の制作とのこと。興福寺国宝館が耐震工事のため丸一年休館となっているため、普段閉まっている仮金堂にて春と秋に「天平乾漆仏像郡展」が開催され江戸時代の釈迦如来・四天王とともにお馴染みの阿修羅や十大弟子や定慶作金剛力士など西金堂オールスターズが拝観できるとのこと。興福寺の仏頭の東金堂帰還とともに注目される。奈良博の「快慶展」を訪れた際、拝観したいと思う。
2016年5月22日日曜日
聖地チベット-ポタラ宮と天空の至宝展の思い出①十一面千手千眼観音
国宝阿修羅展が開催された平成21年の秋に上野の森美術館で聖地チベット-ポ タラ宮と天空の至宝展を見に行った。会場に展示されている仏像はどれも今まで見たことがないチベット密教の仏たちで興味深く鑑賞できた。怪しげな目線で腰をひねらせて立つ高さ160センチの弥勒菩薩像や魅力的な緑のターラー女神像などが会場ところせましと展示されておりチベット密教の世界に引き込まれた。圧巻だったのがパンフレットの表紙を飾る十一面千手千眼観音で像高77センチの17世紀作の銅造鍍金の仏像だが、なんと言っても十一面が5段につみあがった様が印象的だった。手は宝珠や弓矢をとる本手8本と小手992本の真数千手観音で小手それぞれの手の平に目が描かれていた。この展覧会のことを思い出したのは最近購入した「新モンゴル紀行」という本で東洋のミケランジェロといわれる仏師ザナバザルの仏教美術を目にしたからだ。いつかモンゴルに仏教美術を鑑賞しに出かけたいものだ。
2015年9月12日土曜日
特別展鎌倉×密教の思い出(園城寺の不動明王)
平成23年に仏像クラブで行った鎌倉国宝館開催「特別展鎌倉×密教」ではU案 内人と特別開帳で訪問した明王院の肥後定慶作不動明王がメインで展示されていた。この展覧会により再評価され重文指定されることになるのだが、この不動明王と比較する作品として園城寺の不動明王が展示されていた。当時は肥後定慶作の印象が強く、さして記憶に残らなかったが、昨年訪れた大津市歴史博物館で開催された「特別展三井寺国宝の美」で、はからずも再会することができた。この不動明王がポスターの中央にあり、展覧会の目玉となっていた。あらためて作風を見ると両手足を左右に大きく張った堂々とした構えに気宇の大きさが感じられ、憤怒の表情は控えめに表し、衣文や肉取りを大つかみにとらえ、落ち着いた印象を与える。顔の表情はものすごく太めの眉を吊り上げ、両目を見開いている。作風からして湛慶か肥後定慶の作といわれており、当時の鎌倉国宝館の学芸員も肥後定慶作の比較としてわざわざ鎌倉まで持ってきて展示したのだろう。照明のよい大津歴史博物館でじっくり堪能して京都へ戻った。
2015年8月29日土曜日
国宝薬師寺展の思い出②
平成20年に開催された「国宝薬師寺」展には日光・月光菩薩と共に東院堂の聖 観音が展示されていた。当時は日光・月光の印象が強く、あまり印象に残らなかったが、先日NHKの「探検バクモン」という番組で奈良国立博物館と「白鳳」展の紹介がされたとき、聖観音も取り上げられていた。奈良博写真技師のコーナーで写真にすると、今まで気がつかなかった仏像の特徴がわかるという。薬師寺の聖観音は実は目が赤く、おでこには産毛のようなものが描かれている。スマホの電子書籍でも確かにその特徴が確認できる。これからは仏像の肉眼では気がつかない特徴について写真で探していこうと思った。
2015年8月8日土曜日
奈良の古寺と仏像展の思い出②
奈良の古寺と仏像展では奈良の多くの寺から仏像が出品されていたが、ここに 取り上げる岡寺の菩薩半跏像もそのひとつだ。わずか像高16.5センチの銅造の仏像のため会場では目だたなかったが、あとで図録などで写真を確認しそのやさしい表情や自然な姿勢、装身具の細部まで見事に表現されているのに驚いた。平成25年に奈良を訪れた際、岡寺の大きな如意輪観音を見たが、その胎内仏で奈良時代の作だが、その愛らしく美しい姿は白鳳仏の影響を確実に受けていると感じた。あらためて見直した秀作だ。
2015年8月1日土曜日
奈良の古寺と仏像展の思い出
平成20年に「薬師寺展」平成21年に「国宝阿修羅展」と立て続けに行った仏像展 だが、平成22年に開催されるいい仏像展は無いかと探していたが、東京日本橋の三井記念美術館で「奈良の古寺と仏像展」が新潟・東京・奈良と巡回して開催されることを知った。その年は今年と同じく猛暑で、暑い中仏像展に出かけたのを覚えている。初めて行った三井記念美術館はかなり豪華な展覧会場で、照明も凝っており、奈良の仏像が「會津八一」のうたと共に展示されていた。最初が法隆寺のコーナーで東京展だけに出品される夢違観音や菩薩立像が展示されていた。ここで紹介する観音菩薩立像は白鳳時代の作で法隆寺金堂の阿弥陀如来の脇侍としてまつられていたというが、像容からして単独像として製作された可能性も指摘されている。二手に分かれた髻、花や葉を様式化した冠、両足まで冠の紐がU字型に垂れ下がる装飾性に富み巧みなデザインになっているところなど、白鳳美術の粋を集めた名品だ。像高が60センチの小像のため見逃しそうな一品だが、今年の七月開催の白鳳展では大きく取り上げられており、改めて見直した仏像のひとつだ。帰りに品川でよったレストランのビールが冷たくおいしかったことを記憶している。
2015年7月26日日曜日
国宝薬師寺展の思い出
仏像クラブが発足したのが、平成19年12月だが、平成20年の4月にはU案内人 と京都に行き、その翌月に東博で開催されたのが、「国宝薬師寺展」だ。この展覧会では、薬師如来の脇侍日光・月光菩薩が揃って寺外初公開されると聞き二人で出かけた。会場の当時の記憶はほとんどないので、当時の東博ニュースを読むと、「今回の展示では光背を付けず、日光・月光両菩薩像を離して展示することでそれぞれ360度の視野を確保します。また、両像を少し高い位置からご覧いただけるよう、檀を設置します。」とある。会場は特別展がよく開催される平成館で、他の展覧会でも劇的な視覚効果を発揮したあのスロープを使ってお二方を見るしかけとなっていた。今でも印象に残っていたのは、普段光背で隠れている、背中にも彫刻が施されたことに感動した点だ。照明もこのころから工夫していたのには驚いた。現在、奈良博では「白鳳」という展覧会が開催されているが、月光菩薩のみの展示とのこと。お二人そろって東京で見られた貴重な展覧会であった。
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