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2014年8月2日土曜日

南山城の古寺巡礼展⑨

今回の南山城の古寺巡礼展では、写真でも見たことがない、多くの初めて
見ることができた。この海住山寺の薬師如来もそのひとつで、眼球がやや目頭側に寄るようにあらわされている個性的な表情だ。私も行った「書写山円教寺の常行堂の阿弥陀如来(予約していなかったため見逃したが)などを思わせる」と図録の作品解説に書いてあったが、製作は10世紀末ごろだろうか。「TV件仏記」(播州姫路編)で言っていたが、平安時代前期の仏師安鎮(あんちん)の作であろうか。解脱上人定慶以前の「海住山寺」を伝える貴重な仏像だ。その特徴ある表情が気になって印象に残った仏像であった。

2014年7月26日土曜日

南山城の古寺巡礼展(番外編)

今回の京博での「南山城の古寺巡礼展」で唯一見逃した仏像がこの浄瑠璃
寺の薬師如来だ。展示期間が5月の中旬からのため見ることができなかった。そもそもこの薬師如来は浄瑠璃寺の旧本尊で浄瑠璃寺の名前も薬師の浄土である浄瑠璃世界から命名されたものだ。現在はかの有名な九体阿弥陀が本尊になりこの薬師如来は池の対岸の三重塔に納められており、1年のわずかな期間しか拝観することができない。九体阿弥陀の製作時期よりさかのぼるという。いつか眼にしたい仏像だった。

2014年7月12日土曜日

南山城の古寺巡礼⑧

今回の南山城の古寺巡礼展では、3年前の秋に出会った仏像たちに多く再
会した。この禅定寺の文殊菩薩騎獅像(もんじゅぼさつきしぞう)もそのひとつで、以前はお寺の収蔵庫に多くの藤原期の仏像郡と一緒に拝観した。今回改めて展覧会で鑑賞するとひとつひとつがじっくり見れてよかった。みうらじゅん氏にいわせると「プリティな獅子」に乗る文殊で、安部文殊院の獅子のように力強さを感じさせない。図録によると象に乗る普賢菩薩(ふげんぼさつ)と一対で現在はその象に大威徳明王が乗っている。そのことは見仏記でもふれていて、さすがと思ったが、今回は重文に外れているため問題の大威徳明王の出展はなかった。今はすべての仏像が寺に戻っているという。何年かしたらまた訪ねに行こうと思った。

2014年7月5日土曜日

南山城の古寺巡礼展⑦

以前、南山城を訪れた際、最後に拝観したのが蟹満寺だった。その創建時
期をめぐって論争が戦わされた蟹満寺の釈迦如来像の斜め後方の段上に安置されていたのが、今回展示されている阿弥陀如来像だ。近年再興なった真新しい本堂にこの小さな阿弥陀如来が安置されていたとは、気がつかなかった。余にも本尊の釈迦如来が大きいので眼にはいらなかったのかもしれない。小像でありながらも量感あふれる力強い像の姿から、平安時代初期の九世紀にさかのぼる像と考えられる。足先まで衣につつんだ姿が慶派仏師に影響を与えたという。慶派仏師が見ていたのはこの仏像の基準となる今はなき薬師如来か。いろいろ想像させる仏像だった。

2014年6月28日土曜日

南山城の古寺巡礼展⑥

今回の「南山城の古寺巡礼」展ではお寺の秘仏が公開されており、中には
1年に一日しか公開されない仏像もある。ここにあげる笠置寺の毘沙門天も秘仏でお寺では普段拝観できない仏像だ。笠置寺は鎌倉時代高僧「解脱上人定慶」にかかわりのある寺院で、県立金沢文庫で開催された「解脱上人定慶」展において、金沢文庫の瀬谷学芸員が今回も出展されている笠置寺曼荼羅図の前で盛んに語っていた寺院だ。この毘沙門天も力強く写実的な作風から鎌倉時代に慶派によって製作されたという。踏まれている邪鬼もとてもユーモラスで、小さくまとまっているのが特徴だ。今後出会うことはないであろう仏像を前にして立ち去りがたい思いを胸にして会場をあとにした。

2014年6月15日日曜日

南山城の古寺巡礼展⑤

以前、南山城を訪れたとき時間がなく参拝を断念したのが、「神童寺」だ。今
回の展覧会では不動明王・愛染明王・日光・月光菩薩と、4体もの仏像が出展されるという。「南山城の古寺」のコーナーで寿宝寺の千手観音と禅定寺の十一面観音に圧倒されたあと神童寺のコーナーとなってをり、じっくりと鑑賞できた。なかでも気に入ったのがこの「波切白不動尊」と呼ばれる不動明王だ。直立の姿勢と、頭髪が巻髪で不動明王によくみられる弁髪(べんぱつ)を表さず、上唇で下唇を噛む顔つきは、園城寺の黄不動画像に通じるという。神童寺は「北吉野山」という山号が表すように、修験道の流れをくむ寺で、南山城の古寺の中では他の寺とは一線を画す雰囲気が展示品からも伺えた。いつかお寺を訪れようと思い京博を後にした。

2014年5月31日土曜日

南山城の古寺巡礼展④

今回の展覧会に先立って京都国立博物館は、約3年をかけて南山城の10
箇寺の文化財調査を行ったそうだ。この法性寺の地蔵菩薩はその調査の過程で発見された仏像で、私も見るのが始めてだった。法性寺は海住山寺の子院のひとつで、地蔵菩薩には玉眼が施された鎌倉時代の仏像だ。図録には嵯峨清涼寺の釈迦像を思わせる衣文線が特徴と書かれていたが、私はそのなんとも味のある仏像の表情にひかれた。するどい眼差しながら全体的にはおだやかな表情がよい。京博はよくぞ文化財調査でこのお地蔵様を見つけてくれたと感謝したいくらいだ。魅力的な仏像の展示が多い本展であったが、心に残る地蔵菩薩との出会いであった。

2014年5月24日土曜日

南山城の古寺巡礼展③

以前、南山城を訪れた際、寿宝寺の千手観音にこの展覧会で再会し感動し
たあと私の目をひいたのが、同じ寿宝寺の金剛夜叉明王とこ降三世明王だ。お寺で見た印象はなかったが、あらためて見るとすばらしい仏像だ。特に降三世明王が印象に残った。降三世明王は東寺像に見られるように、足元にシバ神とその烏魔妃(うまひ)を踏みつけており、この像もそのようになっているが、東寺と違うのは烏魔妃が座ったままで頭を踏みつけられているのが珍しかった。平安時代後期の作品で作者の遊び心を感じるいい作品になっている。別のお寺にも不動明王・大威徳明王・軍茶利明王は他の寺にあづけられており、今回の展覧会では当初の姿をよく残したこの仏像が選ばれたようだ。新たな仏像との出会いに感謝し、次のコーナーに向った。

2014年5月10日土曜日

南山城の古寺巡礼展②

今回の展覧会にわざわざ京都まで出かけるきっかけになったのが、この浄
瑠璃寺の大日如来だ。慶派の大日如来としては、運慶の円成寺大日如来像があまりにも有名だが、浄瑠璃寺の大日如来は運慶の父康慶の周辺で作成されたと推察される仏像だ。円成寺に比べて、肘の張りなども穏やかで大胆さというよりおとなしい印象を持つ。話によると「せんとくん」の生みの親芸大教授の藪内氏が修復を担当したという。お寺でもめったに見れない大日如来に今回の展覧会で出会えたのは収穫だった。

2014年5月1日木曜日

南山城の古寺巡礼展①

本日「南山城の古寺巡礼展」を見に京都国立博物館まで出かけた。このゴールデンウイークは京都非公開文化財特別公開も開催されており、午前中博物館、午後お寺巡りというコースで計画をたてた。 京都国立博物館ははじめて入るが重厚な造りで趣がある。浄瑠璃寺の大日如来など見るべき展示品があったが、なんと言っても圧巻なのは、禅定寺の十一面観音と寿宝寺の千手観音の巨像のコーナーで迫力がある。中でも千手観音が素晴らしかった。興奮冷めやらぬまま会場を後にした。