2010年12月11日土曜日

特別展東大寺大仏(五劫院のアフロな仏)

東大寺大仏展の最後に展示されているのがこの五劫院の五劫思惟阿弥陀如来像だ。このアフロな仏見たさに今年の春奈良まで見に行ったが、お寺では厨子の中に展示され下から見上げるためそのお姿があまりよく拝めなかった。しかし今回は展覧会なのでじっくり近くから拝むことができた。五劫という長い時間を髪の毛の長さで表したためこのようなヘアスタイルになっている。この像は重源上人が中国から招来した仏像で、顔は大きく体は一個の塊のように見え、造形が大胆で日本の作風とかけはなれている。今年の夏に東大寺のアフロな仏を「奈良と古寺の仏像展」で見たが、東大寺のはおとなしく和様化している。中国色の強い特異な作例が東大寺の末寺に残るのは、重源周辺に中国風を積極的に受け入れる雰囲気があったという説がある。女性にも人気なこの仏が展覧会の最後をかざるのもなんとも心憎い演出である。

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