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2018年9月1日土曜日

特別展「仁和寺と御室派の仏像」⑨(屋島寺の千手観音)

初春に行った「仁和寺と御室派の仏像」展の最後のコーナーが「秘仏」の
コナーで普段お会いできない、「秘仏」が大集合していた。その中で目立たない存在だったが興味がわいたのがこの「屋島寺の千手観音」だ。源平合戦で名高い古戦場である屋島は四国を学生時代に旅行したことはあるが、そこのお寺にこのような素晴らしい千手観音があるとは知らなかった。現在は宝物館でいつでも拝観できるようだ。42本の腕で千本の腕を表し、頭上に十一の頭上面をいただく平安時代の十一面千手観音座像だ。一木造りらしく、体に厚みがあり腕は左右19本ずつを前後3列に配する非常にバランスの取れた仏像だ。いつか四国を訪れた際、屋島を再訪したいと思う。

2018年8月5日日曜日

特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」⑧(遍照寺の十一面観音)

今年の早春にいった「仁和寺と御室派のみほとけ」展でほっとする仏像に出
会った。それは京都遍照寺の十一面観音だ。友人も同様に感じたのか、少しじっくりと見たいということで、二人でその仏像をゆっくり鑑賞した。最近になってこの仏像の作者がだれなのかを知りほっとしたわけがわかった。作者は寄木造の発明した定朝の師であり父親の康尚(こうじょう)であった。康尚は山本勉先生によると「僧ではあるが寺院の所属から離れて、独立した工房を営む最初の仏師」だという。現存する作品としては同聚院の不動明王が有名だが本像は仰月形の細い目、下頬の張った顔立ちが特徴の一木造で、翻羽式衣文があらわされており天皇家の血筋をひく高位の僧侶の依頼で康尚が古用な仏像として製作したのではないだろうか。山本勉先生も慎重にだが、面相はますますやさしく、おぼろともいうべき夢幻的なものから康尚周辺の仏師と書かれており、和洋の仏像の完成形としての魅力がわれわれの足を止めたのかもしれない。次の秘仏のコーナーも気になるので離れがたいが次の作品に向かった。


2018年5月5日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ⑦(神呪寺の如意輪観音)

最近の私の旅の目的はその土地の秘仏を御開帳日に見ることとなっている。
大阪弾丸ツアーでは日本三大如意輪のひとつである観心寺如意輪観音の御開帳日が土日になったときに合せて行ったし、近くは三重県伊勢の千手観音の御開帳日にも三重を旅行した。要は秘仏好きであり尚且つその中でも如意輪好きなのである。今回の仁和寺展は正に秘仏のオンパレードであり、ここに紹介する神呪寺(しんのうじ)の如意輪観音も日本三大如意輪のひとつとのこと期待していた。神呪寺の如意輪観音も観心寺像と同じく六臂で右側第一手を頬にあて「いかにして衆生を救うか考えているところ」だが観心寺像のように目を見開き一生懸命考えているのではなくけだるそうに頬づえをしているように見えるところが一気に会場の雰囲気を和ませる癒し系の仏像だ。第二手は宝珠を手に乗せ第三手は下方に伸びているが数珠は無くしたようだ。左側の第一手は人差し指を天に向け輪宝をのせており、お寺では写真のように縦にのっているが、会場では間違えたのか横になっていた。第二手は蓮華を持ち、そして三番目の手は腕を伸ばし手を伏せて蓮台の上面をおさえている。この仏像の最大の特徴は観心寺像のように足裏を合わせるポーズが一般的だが、左脚部が右大腿部に乗っていることだ。会場の最後のほうにこの仏像を展示する東博学芸員の心憎い演出にはまり会場をあとにした。

2018年4月30日月曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ⑥(観音堂)

今回の仁和寺と御室派のみほとけ展の最大の見所が江戸時代に再建された観
音堂の展覧会場での再現だろう。普段非公開の観音堂を修復を期に中にある千手観音・降三世明王・不動明王・二十八部衆・風神・雷神像を展示、壁画の写真を背景に展示する試みだ。また写真撮影もOKとのこと、期待していた。会場は物凄い人で皆さん撮影に夢中だった。私もなんとか撮影しその後写真でじっくり味わった。江戸時代の再建時に降三世明王は東寺講堂より二十八部衆は三十三間堂からほぼ忠実に再現している。図録によると日光中禅寺や輪王寺を手掛けた七条仏師二十三代である康音の作風に通じるところがあるという。最近の東博の傾向としては必ず撮影スポットが設定される。今後の展覧会でも期待したいと思う。

2018年4月7日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ⑤(仁和寺の阿弥陀三尊)

仁和寺の阿弥陀三尊はいまから10年前の平成20年の御室桜が咲く4月にU案
内人と訪れたれたとき霊宝館で拝観したがあまり印象に残っていなかった。今回は東博での展示でまたこの展覧会メインの仏像になっているのでドラマッチクな演出があると秘かに期待していた。観音堂の喧騒を離れて静かに仏像鑑賞ができるようになり、いきなりの御本尊の登場である。図録によると阿弥陀三尊は創建当初の法会の本尊で像高が90センチ腹前で「阿弥陀の定印」という印相を結んで座す姿である。「阿弥陀の定印」は心静かに精神を集中した状態に入るときの手のかたちで、本像はその最古例とのこと。記録によれば当初は阿弥陀三尊の周りに梵天・帝釈天と四天王が祀られていた。お顔付は中尊・観音・勢至菩薩ともにふっくらとした一木造りで平安の雅を感じさせる名品である。期待の照明に照らされ厳かに金色に輝く阿弥陀三尊に酔いしれた。

2018年3月24日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ④(葛井寺の千手観音)

先日無事に閉幕した「特別展仁和寺と御室派のみほとけ」は1月から開催し
ていたが仏像クラブで訪問したのは2月の葛井寺の千手観音が来てからとなった。平成21年4月18日に葛井寺を訪問しご開帳された千手観音を拝観したが、その日は大法要にあたり経を唱えながら一心に祈っている女性の姿が印象的だった。会場では間近に露出展示でみられしかも360(サブロクマル)で鑑賞できてよかった。千手観音の造像は仏教文化が花開いた奈良時代。天平彫刻の名品である。この千手観音は本当に1000本あるいわゆる真数千手でしかもそれぞれに目が描かれている千手千眼観音だ。真数千手としては奈良唐招提寺の千手観音が有名だが953本しか現存しておらず、葛井寺像は日本の古代中世の作品としては、千本の手が認められる唯一の像とのこと。材質は奈良時代の貴重な脱活乾漆づくりで、聖武天皇の発願にて造像された。前回、仏像クラブで鑑賞した時見落とした頭上の化仏の「大笑面」を見たが、穏やかな微笑みをうかべており平安時代になると笑いとともに恐ろしさあわせもつ「暴悪大笑面」と一線を画す表現になっており天平彫刻のおおらかさを感じた。いつまで見ていたかったがグッズのコーナーで千手観音のポスターを購入し名残惜しいが会場をあとにした。

2018年3月10日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ③(道明寺の十一面観音)

今回の展覧会では国宝の仏像4体が出展されるが、仁和寺2体と大阪の葛井
寺と今回取り上げる道明寺の十一面観音だ。道明寺の創建は飛鳥時代で土師氏の氏寺として建立され、土師氏に菅原姓を賜りのちに菅原道真が寺伝によると道真の叔母が住んでいることでしばしば道明寺を訪れこの仏像を刻んだと伝えられている。道真が30代で造ったかは分からないが、像の印象は若々しさを感じ、井上正氏も「清純な相貌と溌溂たる肉身に加えて、その衣の神秘的な動きを忘れることはできない」といっている。図録によると冠や後頭部の垂髪の形状などの形式が中国・唐時代の彫像に通じている。着衣の衣文は私が京都で見に行った法菩提院の菩薩半跏像に通じるうごめくような触感を表す一方、肉身にはかたい弾力を感じさせた。大阪弾丸ツアーの際最後に印象に残った名仏に再会できここちよい思いをして次の作品に向かった。

2018年2月24日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ②(仁和寺の薬師如来)

今回の「特別展仁和寺と御室派のみほとけ」では国宝の仏像が4体出展されて
いるが、その仏像が揃うのが2月14日からというので、開催から一ヶ月経ってからの訪問となった。その中で一番最初に展示されているのがこの仁和寺の薬師如来だ。像高は11センチで空海が唐よる招来した薬師如来が火災で焼けたため、平安後期、白河院の意向で御室(おむろ)覚行法親王が円派仏師の円勢・長円につくらせた貴重な白檀で製作された仏像だ。台座を含めて22センチ弱の小像ながら日光・月光菩薩と十二神将が彫られており食い入るように会場で見つめた。会場は照明を落としてあったのでよくわからなかったが截金(きりがね)文様が施された豪華な院政期の仏像だ。仏像は後半と油断していたが思わぬところで名仏に出会え後半に期待しながら会場を進んだ。


2018年2月18日日曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ①

本日(17日)仏像クラブで東博開催の「特別展仁和寺と御室派のみほとけ」
に行ってきた。春のような暖かい午前中開館とほぼ同時に入場したので、少し入口で待たされた。この展覧会は先月から開催されているが、大阪の秘仏葛井寺の千手観音が今週水曜日から出開帳とのことで、この時期の鑑賞会となった。展示の前半は空海や天皇の書などが多かったが、これまた水曜日から公開の仁和寺平安時代の秘仏薬師如来が像高10センチの小さな仏ながら七仏薬師や日光・月光菩薩・十二神将まで間近にみることができた。後半はカメラを取り出して観音堂の展示に向かった。普段非公開の江戸時代の再興像が東京で鑑賞できカメラスポットになっており写真撮り放題だ。私も興奮を抑えつつ観音菩薩や二十八部衆の写真を撮った。その後は御室派のみほとけのコーナーで北は仙台から南は福岡まで多くの御室派のみほとけが並んでいた。金沢文庫でおなじみの龍華寺の菩薩像も出展されており、U案内人ははじめて見たらしくえらく感動した様子だった。最後は秘仏のコーナーで大阪葛井寺の千手観音や道明寺の十一面観音が展示されておりまさに仏像の目白押しといった感じだ。帰りの上野のそばやでいつもの天丼とそばの定食を食べながら熱く語る仏像クラブの面々だった。