2026年1月15日木曜日

たたかう仏像②(加彩鎮墓獣)

 静嘉堂@丸の内は中央が広間になっており、四方に展示室がある構成のため第四章「救済の最前線」を見てから、第三章「仏像の鎧の源流」を鑑賞した。この鎮墓獣の俑は唐時代のもので、人面と獅子面が一対になっている。人面は顔のみで体は足に鹿ないし牛のような樋爪を呈す。図録によると鎮墓獣を一対として武人俑と共に墓中に安置することは、北魏時代以来行われているとのこと。いかにも鮮卑卓抜族が好みそうな俑だ。人面の鎮墓獣は北魏時代の胡漢融合文化の産物、あるいは鎮墓獣に理知的な性格を付与するために生まれたとの説もあるが、定説をみない。目が斜視で大きな鼻厚い唇でどうしても理知的には見えないが、左右の目線を逸らしているが七世紀後半から八世紀の俑の特徴とのこと。たしかに展示されている唐時代の俑に共通してみられた。人面獣の渦巻く頭上の髪は独角からの発展形とも考えられる。背中には鉾の先端のような形状があり、体部に朱、白、黒によるC字型とヤシの葉のパルメット型で構成された雲気文を画かれている。鎮墓獣については以前東博東洋館で見たが今回はより細かさ彩色が施され興味深かった。人面獣・獅子面獣から一気に俑の世界に引き込まれた。十七年ぶりの公開とのことじっくり鑑賞した。



2026年1月7日水曜日

たたかう仏像①


 本日(1月6日)静嘉堂@丸の内開催の「たたかう仏像」を見に東京駅まで出かけた。本展は静嘉堂@丸の内所蔵の浄瑠璃寺旧蔵十二神将と仏像の鎧のルーツといえる中国・唐時代の神将俑と共に展示することで、仏像を「たたかう」という視点から捉え、仏像の知られざる側面に迫るとのこと。平日ですいていたので、音声ガイドを借りてゆっくりと見てまわった。絵画では元時代の十王図が地獄の様々な光景が画かれて面白かった。中国の俑は東博東洋館で以前みたが、静嘉堂のコレクションもなかなか見応えがあり唐時代の加彩鎮墓獣人面と獅子面は発掘された当時の墳墓での埋葬の様子の写真と共に展示されて興味深かった。いつもの浄瑠璃寺十二神将は手本となった図像との比較ができてよかった。静嘉堂@丸の内の展示の工夫がありとても楽しめた展覧会だった。詳しくは後日記載するが、ミュージアムショップで展覧会の図録とクリアファイルを購入し、イルミネーションが美しい丸の内をあとにした。


2026年1月2日金曜日

龍峰寺千手観音令和8年御開帳

本日、2026年元旦、実家に帰省する途中に御開帳の海老名龍峰寺に参拝した。海老名駅から徒歩25分の高台に龍峰寺の立派な社があった。御朱印を頼んだ社務所の女性に教えられて、収蔵庫の千手観音と再会した。2020年の秋に神奈川歴史博物館で特別展「相模川流域のみほとけ」で初めて出会ったが、その当時の学芸員神野氏の図録解説には奈良時代から平安時代の作と書かれており、にわかに信じがたかったが、その点を確認する訪問だった。桾の膝前に見える翻羽式衣紋、裙の正面打ち合わせ部の渦文、背面で一度たるませてから両肩に懸かる天衣等に単なる鎌倉時代の古像の模刻では片付けられない迫力があった。相模国風土記に書かれている清水寺の千手観音と同時に本像を作らせたという記載が信じられる迫力があった。元旦からいいほとけを見て海老名をあとにした。