上宇内薬師堂
平成20年夏会津を訪れた。会津への旅を思い立ったのはひとつにはJR東日本の夏のキャンペーンで会津が「仏都」と呼ばれるほど仏像が多いことを知ったからである。タクシーで坂下にある上宇内薬師堂へ向かう。タクシーに乗り込み車は一路、会津若松の西北に向かった。上宇内薬師堂の薬師如来は、2007年のキャンペーンの表紙になっておりボランティアガイドの説明があるとのこと。ボランティアガイドの方は感じのよい男性で奥に導かれ、薬師如来に対面した。丈六の薬師。補修箇所以外は平安期の作だという、真っ黒な顔で唇の小さな坐像。なんといっても胸の張り方がすさまじく、胴体が短めなのも手伝って、パワーの濃縮感がびんびんと伝わってくる。ボランティアガイドのぼくとつとした会津弁の説明によると、どちらかと言えば定朝風だという。この薬師を会津の人々がどんなに大切にしていたか熱弁をふるった。雨によって足が腐り、のちにそこだけ補修されたらしい。上宇内薬師は様々な障害と戦いながら今に至っていたのである。それを思うとなおさら薬師が愛おしくなりその場を立ち去りがたくなった。十分説明も聞き満足して今日の宿、「東山温泉」に向かった。
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