白洲正子神と仏、自然への祈り展③(細面な十一面観音)
今回の展覧会では、ほとんど素朴で味わい深い仏像ばかりであるが、この十一面観音は南山城・海住山寺から来たため、洗練された美しさがある。U案内人はそこが気に入ったのか写真で見るより細面で美しい観音様だと絶賛していた。普段は奈良国立博物館にあり、毎年10月にだけお寺で公開される観音様だ。像高は50センチもみたないかわいらしい仏でカヤの一木作りで壇像彫刻を代表する洗練された十一面観音だ。とてもバランスがとれた体つきで、作者の高度な技量を感じさせる名品だ。とくに衣文が流れるように下にたれておきながら重厚さを併せ持つところなどは小気味いい。すこし腰をひねってたつすがたに魅了された。展覧会場でひときわ異彩を放っていた仏像だった。
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