日本国宝展②(興福寺東金堂の多聞天)
昨年の日本国宝展で印象に1番残ったのが興福寺東金堂の多聞天だ。確かに
安部文殊院の善財童子や三千院の観音・勢至菩薩は来ていたが、拝観するのは2度目でそれぞれ割合明るいお堂の中でみているので印象には残らなかった。興福寺東金堂には多くの仏像があり、お堂も暗いので明るい展覧会場で見る多聞天は格別だった。多聞天の特徴は頭部を体に沈め、体をずんぐり太く造り、内にこもった重々しさで表されている。1997年に開催された「興福寺国宝展」図録によると所々に木屎漆(こくそうるし)を用いた技法が使用されているとの記載があった。さすが脱化乾漆製の阿修羅が造られた興福寺ならではの技法だ。すばらしい照明があたった仏像をいつまでも眺めていた。
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