円空・木喰展②真教寺の十一面観音
円空・木喰展会場では円空のごく初期の仏像から晩年の仏像まで展示されていた。円空は最初から木端仏(こっぱぶつ)のような前衛的な仏像を製作したわけではない。会場を入ってすぐに展示されていたこの十一面観音は円空が奈良遊学の折に見かけた法隆寺の百済観音や救世観音から学んで製作したといわれている。両手首から天衣を垂らした姿はまるで百済観音のようだ。立っている蓮の台座が両足に分かれていて「仏が歩いた先に蓮の花がさく。」という東博の菩薩像にも似た十一面観音だった。蝦夷地やみちのくに向う前に製作されたたいへん貴重な仏像だった。二メートル以上ある大きな仏像をいつまでも眺めていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿