2013年8月21日水曜日

慈恩寺の十二神将

みちのく仏像めぐりのラストを飾るのは寒河江の慈恩寺だ。慈恩寺口のバス
停からかなりの距離を歩き、やっとの思いで慈恩寺山門に着く。本堂の中に入ると参拝客は私一人で係りの女性が案内してくれた。本堂には御前立ちの虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)と左右に二天像・聖徳太子像などがあり、秘仏の弥勒菩薩(みろくぼさつ)はパネルでの展示がなされていた。聞けば来年ご開帳とのこと。私の目的は薬師堂の十二神将なので本堂の拝観を早々に切り上げ薬師堂に向かった。中央に薬師如来。左右に日光月光がならび、本尊の薬師は院派の作。脇侍は山形の素朴な顔つきをした仏像なので土地の仏師の作か。奥に入ってよいとのことで、十二神将を間近に鑑賞した。像高90センチ足らずの仏像だが、それぞれ迫力がある。十二支の順番にコの字型に並んでおり、鎌倉時代のヒノキ寄木造だ。いずれの像も玉眼で、甲冑や衣の表現が興福寺の十二神将と似ているので慶派仏師の作だといわれている。頭にウサギを乗せた摩虎羅(まこら)大将がとくに気に入った。左手を高く上げ右手を下に下ろし拳を力強く力む様がすばらしい。満足するまでゆっく鑑賞し、外へ出た。お寺の方の御好意で7月までやっていた秘仏展のポスターを譲り受け寺を後にした。

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