2013年8月3日土曜日

三蔵法師の十一面観音

今週の日曜日今年リニューアルオープンした東京国立博物館東洋館に出か
けた。新装された東洋館の地下には「ミュージアムシアター」が併設されており、特別展や展示品をより深く知るための、バーチャルリアルティなVR作品が上映されている。今回の上映作品は奈良県多武峯(とうのみね)に伝わる十一面観音を「三蔵法師の十一面観音」と題してデジタルアーカイブをVR技術で可視化した映像が映し出される作品だった。入り口で入場券とシアター鑑賞券のセット券を購入して東洋館に向かった。まずは仏像発祥の地「ガンダーラ」の仏像が展示されている2階に向かった。2世紀のクシャ-ン朝時代の如来立像で、螺髪(らほつ)の原型のヘアースタイルを見たり、西域のベゼクリク千仏堂の「衆人奏楽図」(しゅうじんそうがくず)に感動しながら、1Fの中国の仏像コーナーに向かった。そこにお目当ての「三蔵法師の十一面観音」の現物が展示されていた。像高42センチで思った以上に小さい仏像だった。典型的な壇像(だんぞう)で、彫刻も細かかったが現物ではわかりにくかった。VR作品に期待が膨らむ。会場に着席するた「ナビゲーター」の男性が映像を写しながら語り始めた。三蔵法師は多くの経典をインドから持ち帰ったこと。その中には仏像の造像法があり、この観音がそれに基づいて製作されたこと。三蔵法師やその弟子に仏教を学びに行った藤原鎌足の子「定恵(じょうえ)」や日本僧がいたこと。彼らの持ち帰った経典から薬師寺の薬師三尊やその他の仏像に影響を与えたことなどがテンポよく語られていった。ひとつの展示作品より深く知ることができて、大満足な上映会だった。

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