2012年8月25日土曜日
2012年8月21日火曜日
戦災で焼け残った観音勢至菩薩
尾張三河仏像旅行の最終日は名古屋市内の七寺に向かった。ここには、先の太平洋戦争の空襲から救い出された平安後期の観音菩薩と勢至菩薩が祀られており、一度ぜひお会いしたいと思っていた仏像だ。予約してお寺に向かうと、ご住職が出迎えていただき、じっくりお話しが聞けた。七寺は奈良時代からの古刹で本尊は平安後期の慶派の作である。また焼失前の写真が残っており、丈六の阿弥陀如来の姿がはっきりと見えた。ランプで照らしながら30分熱く語っていただきありがたかった。観音菩薩が特に素晴らしく、旧国宝というのも頷ける。終戦の月にふさわしい仏像巡りであった。
2012年8月20日月曜日
渡海した阿弥陀如来
今日は碧南市の海徳寺に向かった。NHKの番組でいとうせいこう氏が紹介した阿弥陀如来だ。明治の廃仏毀釈の折、伊勢大神宮寺から渡海した。大浜大仏として親しまれた阿弥陀如来は平成14年の文化庁の調査で胎内銘文から平安後期の作と判明した。本堂の前ではちょうど、法要の真っ最中で、少し待ったが、係の女性から本堂にどうぞと言われ中に入って合掌した。金色の丈六阿弥陀が威厳を漂わせた視線をこちらに向けていた。定朝風な素晴らしい大きな仏像は国宝級だ。読経が流れる境内を一人静かにあとにした。
2012年8月19日日曜日
運慶作瀧山寺の聖観音
今日やっと瀧山寺の聖観音に会うことが出来た。二年前に金沢文庫で開催された運慶展で瀧山寺の帝釈天と衝撃的な出会いをして、憧れていた、あの聖観音と梵天だ。源頼朝の母方の従弟の僧の寺から来た客仏だ。聖観音像の頭部には頼朝の遺髪と歯が納められX線撮影でも確認がとれた仏像だ。瀧山寺に着くと収蔵庫の扉が開いており、上品なご婦人が迎えてくれた。中に入って真っ先に聖観音の前に行く。腰のひねりや指の動きのしなやかさが運慶的だ。体躯から離れて自由にうねる天衣(てんね)がすばらしい。梵天も素晴らしい。多面多臂像は運慶作品にはあまりないので、この梵天像は貴重だ。しばらく佇んでいたいが瀧山寺は不便な場所にあり、バスの本数が少ない。後ろ髪を引かれる想いで寺を後にした。
2012年8月18日土曜日
東博の菩薩坐像
特別展示「運慶周辺と康円の仏像」を見た後、東博で必ず訪れる第11室の彫刻のコーナーに向かう。ここは東博の所蔵している仏像や、預託されている仏像、奈良や京都の寺から出展した仏像が季節ごとに展示替えする仏像ファンにはたまらないコーナーだ。今回も秋篠寺の十一面観音や浄瑠璃時の四天王が所狭しと並んでいた。私は携帯のカメラや一眼レフで撮影可能な仏像を撮るのに大忙しだった。東博の展示品の説明の横には「カメラ」のマークがあり、撮影禁止の仏像には「カメラ」に×が表示されているが、何もない展示品は撮影可能だ。このなかで私が一番気になったのは、彫刻のコーナーの入り口に展示されている菩薩坐像だ。上瞼(うわまぶた)がふくらみ、やや沈んだ表情、厚い胸、ところどころしのぎ立つ衣の襞など平安時代前期の特色を示す仏像だ。私にはなんだかはれぼったい目つきの仏がなんともいい表情だ。日本画家下村観山の旧蔵の仏像だ。朝な夕なにこの仏像を眺めていたい衝動にかられた。
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