2025年11月21日金曜日

亀岡・京都仏像探訪③(寶林寺薬師・阿弥陀・釈迦三尊)


 亀岡で昼食を取り、嵯峨野線で千代川駅に向かい、そこから京阪京都交通バスで神前ふれあいセンターで下車し歩いて5分ほどで寶林寺についた。亀岡市文化資料館のデータベース彫刻欄に載っていた数多くの仏像のなかで、寶林寺のサイトを調べ連絡をとり拝観の運びとなった。お寺の境内は紅葉の盛りでモミジがいろ鮮やになっているなかを収蔵庫に向かった。なかにあったのは平安時代後期定朝様の阿弥陀如来・薬師如来と鎌倉時代の釈迦如来だ。この三尊は明智光秀の丹波進行に伴う兵火により廃寺となった天台宗宝釈寺で祀られたもので、その後一時村人により隠され、その後神社の神宮寺に祀られていたが、明治の廃仏毀釈で当山に遷されたものとのこと。三体とも像高は140センチ前後の半丈六の寄木造でいずれも重文で保存状態はよく阿弥陀如来は体のバランスがよく、頭の螺髪は細かく丁寧に刻まれている。胸・腹部に厚みがないのは円派仏師が好んで「定朝様」の作風を感じさせる。薬師如来は上半身に比べ両脚の幅が広くふくよかな体格、目鼻の小ぶりな様子は円派仏師の影響を思わせる。円派に学んだ丹波在地仏師の手になる可能性もある。釈迦如来は鎌倉時代の円派による作と思われ、目尻がつり上がり引き締まった表情だ。このように貴重な仏像が亀岡にあることに驚かされた。パンフレットも丁寧に作成されありがたかった。亀岡仏像巡りにはまりそうな予感がして寺を辞し、次の仏像に向かった。

0 件のコメント:

コメントを投稿