祝重要文化財 南禅寺伝来諸像
南禅寺伝来諸像との出会いは今から12年前の2012年5月のことだった。「ふるさとの仏像に会いに行く」に掲載された静岡県河津町にある南禅寺(なぜんじ)にある仏像に仏像クラブで会いにいった。町の世話人の方に訪問日を告げ、河津桜は終わり新緑が眩しいよく晴れた日に古びたお堂にある26体の仏像に出会った。二天像やガラスケースに入った薬師如来・十一面観音・地蔵菩薩が印象的だった。今年の重要文化財に指定されたのが南禅寺伝来諸像で26体一括の指定となっている。解説文によると「南禅寺堂と呼ばれる堂に伝来した26躯からなる木彫群で、堂の本尊、薬師如来像をはじめ、大半が10~11世紀の製作になり、仏・菩薩・護法神など当時の堂宇に安置される主要な尊格が揃う。いずれも一木造で仏像は基本的にカヤ材、神像はクスノキ材を用いる。各像の作風や製作技法に共通点が認められることから、同系統の工房が当地において継続して造像をおこなったことが推定される。平安時代の地方における造像のさまを如実に伝える遺品として重要である。また十一面観音像の一躯は素朴な作風ではあるが、カヤ材の一木造で各所に古様を示すことから、奈良時代に遡る製作とみられる」とのこと。町の世話人が必死に守り河津町が展示館を立てて守った仏像群がこうして国に評価されるのが喜ばしいことだ。関係者にお祝い申し上げます。
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