2021年9月18日土曜日

特別展「聖徳太子と法隆寺」⑦(法隆寺聖徳太子像【二歳像】)

聖徳太子展ならば欠かせないのが南無太子像と呼ばれる二歳像や孝養像だが、先行で開催された奈良展では聖霊会で10年に一度行われるパレードでお出ましになる聖徳太子七歳像は出展されなかったが、二歳の太子の手の中で発見された仏舎利は出展されていた。第四章「聖徳太子と仏の姿」では三田学芸員の構成で太子信仰発祥の法隆寺東院の太子像も何点か鑑賞することができた。実は2019年から私の中では太子ブームとなっており、きっかけは2021年の太子イヤーの先駆けの展覧会がその年に県立金沢文庫で開催され、翌年元興寺の南無太子像に心奪われ本展の開催を楽しみしていた。この法隆寺太子二歳像は鎌倉時代の作で直線状に切れ上がる眉と鋭い目が印象的な太子像だ。太子が数えで2歳の春に東方を向いて「南無仏」と唱えたという姿だ。上半身は裸で下半身は緋色の長袴を着け、腕前で合掌する通例の姿で表されている。ヒノキの寄木造で割首し玉眼が嵌入されている。張りのある頬や精悍な表情、充実した肉どりの体つきなど南無太子像の優品だ。文芸春秋にもキリリッ度ナンバーワンとの記載があるがまたお気に入りの太子像に出会って満足して次の展示に向かった。
 

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