2021年6月20日日曜日

特別展「横浜の仏像」㉒(林際寺地蔵菩薩)


 「横浜の仏像展」は横浜のみほとけを紹介する展覧会だがこの林際寺地蔵菩薩は静岡県河津にあり、その由来については山本館長の講演で詳しく語られていた。南北朝時代に鎌倉で活躍した仏師朝栄により関東管領上杉憲方の寄進により武蔵金沢能仁寺に造営されたと像内墨書に記載されていることが平成30年上原美術館の調査であきらかになった。文化庁の調査により何らかの事情で建長寺塔頭に移されたこの仏像が江戸時代寛文年間に林際寺に移されたことが林際寺過去帳から明らかになったと語られた。この地蔵菩薩は鎌倉から南北朝に流行った法衣垂下像ではないが、図録によると法衣垂下だった痕跡が残っているという。鎌倉幕府滅亡により流出した仏像がまだ他県のお寺にひっそりと祀られているのではないか。発見を期待したい

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