タイ・スコータイのアチャナ仏
平成10年5月の猛暑の中、タイ・スコータイを訪問した。「見仏記」海外篇
で紹介されたワット・シーチュムに向かった。ここには高さ15メートルの巨大な壁に囲まれたアチャナ仏が有名だ。ツアー一行が向かうと人がすれ違えるくらいの幅の切れ目があり、そこから巨大な仏像が垣間見える。アチャナ仏と呼ばれ尊者という意味で仏陀ではないらしい。仏像は降魔印で、なんと周囲の壁から頭頂部がはみ出している。「見仏記」では顔が黒かった写真があったが、私が見たときは白く塗られていた。この仏像は何回か塗り替えられるみたいで、平成29年7月開催の「タイ展」では東博平成館の階段に大きなアチャナ仏の写真があり、螺髪と降魔印の手の色が金に塗り替えられていた。仏像の顔は東洋的顔に西洋的鼻がついていた。これは「ミズノ先生の仏像のみかた」によるとコーカソイドとモンゴロイドがごちゃ混ぜになった顔とのこと。この仏像がより大きく感じるのは、下半身が大きくつくられており、足もでかければ膝に下した右手もでかい。それがみごとな曲線をえがかれて作られており、信じられないくらい滑らかな形をしている。今回のタイ旅行で一番に印象に残った仏像だった。
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