2015年7月19日日曜日

インドの仏展⑦魔利支天

インドの仏の会場でひときわ異彩を放っているのが魔利支天像だ。陽炎を神格
化したこの天は日本にはあまり作例がなく、この仏像がはじめてみる魔利支天だ。若いころ南アルプスの甲斐駒ケ岳に登ったとき、支峰の名前が魔利支天だったがたしかに陽炎のように霧の中に浮かんでいる光景を思い出した。本像は4つの顔をと8本の腕を持つ姿で表されている。インドの仏展の会場では、真後ろの顔もよく鑑賞できるように後ろの壁が空洞になっており作品を楽しむことができる。ウェブのニュースによると会場で若い女性を中心に人気なのがこの魔利支天像だという。実際はおそろしげな像で、腕には金剛杵、矢、象を操る突き棒、悪人の口と目を縫い合わせる針と糸を持つ。特異で魅力的な像に心奪われて会場をあとにした。

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