正暦寺の孔雀明王
今回の奈良旅行は11月後半だったため、あらかたの秘宝・秘仏特別開帳は終わっていた.
ここ正暦寺は鎌倉時代の孔雀明王と白鳳時代の薬師如来がご開帳とのこと。紅葉の名所とガイドブックにも書いていたので急遽コースに入れた。近鉄奈良駅から乗り込んだ臨時バスは、予想通り混在していたが、お寺につくとすばらしい紅葉で今日が1番の見ごろだという。清酒発祥の地の石塔を見てまずは孔雀明王がおられる福寿院客殿に向う。須弥檀中央に孔雀明王、脇侍が愛染明王でかためれれていた。孔雀明王は毒蛇を喰らうという孔雀を神格化したほとけで、真言密教では息災や雨ごいのお経の本尊として重要視された。明王は通常恐ろしいお顔をしているが、孔雀明王は例外で慈悲相の菩薩形に表現され、四臂(しひ)で右手に蓮華と法輪を持ち、左手にザクロと孔雀の尾羽を持つ。翼を広げた孔雀の背に乗せた蓮華坐上に座り、大きく丸く広げられた尾羽が光背になる。来年には東京に来る高野山の快慶の孔雀明王が見られる。その快慶作と甲乙つけがたいすばらしい仏像だった。私は借景のすばらしい紅葉の中でたたずみ、穏やかな気分になっていった。
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