2013年12月7日土曜日

橘寺の如意輪観音

奈良一日目の午後は飛鳥を巡った。鬼の俎板や亀石などを見てから、
田園風景に浮かぶ橘寺に向った。平日で静かな境内を観音堂に向う。橘寺でのお目当ては平安時代後期の如意輪観音だ。雑誌の表紙で見た写真のイメージと違い、その大きさに驚かされた。半丈六(はんじょうろく)より大きく(170センチ)6本の腕を持ち、両足裏を合わせた如意輪観音だ。密教像らしい神秘的な姿ながら、平安時代後期の繊細優美(せんさいゆうび)と形容される定朝様式を示し、抑揚の少ない体つきに丸顔で伏し目がちの穏やかな表情が、拝する人を和ませる。堂内は私一人だけだったので、しばし静かな時間を過ごす事ができた。他の参拝客がこられたので、お堂を出て境内にある謎の石造美術「二面石」を見てから橘寺をあとにした。

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