2011年8月18日木曜日

高野山と紀州仏像めぐり②(根来寺の大日如来)

今日は、高野山金剛三昧院の運慶作の愛染明王を拝んでから、根来寺に向かった。根来寺はとんでもなく大きく、往年の威容を想像させる国宝の多宝塔や大伝法堂など立派な堂宇が立ち並ぶ。根来衆は雑賀孫市率いる雑賀衆と共に鉄砲を使いこなし、織田信長や秀吉に脅威を感じさせた僧兵集団だが、根来寺の大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂座像はその兵火から逃れて今に伝わる、室町時代の仏像だ。金色に光輝く仏像は巨大な蓮弁の上に座っているので、あたかも蓮ごと宙に浮いているかのようである。体も腑太く、顔も大きく、とにかく力強い。背後の光背は丸でなく、金の延べ棒に似た光の線がにょきにょき飛び出す形で、なんだか宇宙からのメッセンジャーが今も浮いたままそこに存在している気がする。根来衆の心意気が伝わって、迫力に圧倒された。

0 件のコメント:

コメントを投稿