空海のみほとけたち⑤(神護寺の五大虚空蔵菩薩)
今回の「空海と密教美術展」でぜひ会いたかった仏像が神護寺の五大虚空蔵菩薩だ。あの「TV新見仏記」でも紹介され、みうらじゅん氏が「ブラックマンとレッドマン」と呼んでいた、「蓮華虚空蔵菩薩」と「業用虚空蔵菩薩」が出展される。京都愛宕山中腹にある神護寺の五大虚空蔵菩薩は平安初期の作で、密教金剛界の如来がそれぞれが変化したもの。虚空蔵菩薩とは、非常に大きな功徳を持ち、人々に利益を与える菩薩である。左手に仏敵を追い払う三鈷鉱を持ち右手にそれぞれ法具を持つ。空海は習得した虚空蔵菩薩求聞持法は、真言を百万回となえる修法で、暗記することをそらんじるというのはここからきている。虚空蔵菩薩は五色に塗りわけらえている。蓮華虚空蔵菩薩は赤く塗られていた。阿弥陀如来が変化したもので法力は与願。願い事をかなえる。右手には蓮華を持つ。後でみた立体曼荼羅の仏は躍動感あふれる仏像だが、この五大虚空蔵菩薩はあくまでもおだやかで静的である。大阪南河内の観心寺の如意輪観音に似ているところがあると思っていたらどうやら同じ仏師によるものらしい。今度は五大虚空蔵がすべて揃っているところを見たいと感じた。
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