2010年11月6日土曜日

特別展薬師如来と十二神将(慶派の薬師如来)

鎌倉国宝館で開催されている特別展では、十二神将ばかりでなく薬師如来の名仏も出展されている。今年は寅年は薬師如来の十二年に一度の御開帳の年にあたり各地の秘仏が見られる。出展作品のなかで特に私とU案内人が注目した仏像は東漸寺の薬師如来だ。この仏像の製作年代ははっきりしないが、仏像クラブで訪れた浄楽寺の運慶作阿弥陀如来坐像に作風がにており、図録によると運慶に近い仏師による制作であると書かれている。また紙際線をわずかに波打たせたところなど、興福寺北円堂の弥勒如来に通じるところもあるという。U案内人も何かを感じたのか、「運慶の作品と見た」とひとりつぶやいていた。私も同感である。この仏像に運慶壮年期の鎌倉での活躍に思いをはせるのは私たちだけだろうか。二人はしばらくこの薬師如来に時間もたつのも忘れて見入っていた。

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