2022年3月27日日曜日

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」③(四天王)

 

会場の一番奥にはのっぺりした顔の薬師如来と六波羅蜜寺創建当初像といわれる四天王が鎮座していた。空也上人の事績をまとめた古文書で確認されている。増長天は後世の補作で残りの三体は彩色もほとんどなく奈良時代の様式を今にとどめている。当初は4体とも赤色で覆われていたという。見た目にも古色蒼然とした仏像で六波羅蜜寺の歴史の古さを感じさせる。同時代の東寺の四天王の模刻像といわれてきたが、細部において相違があり同じ図を基に彫られたものであろう。この仏像も当時流行した疫病のパンデミックを見てきたのだろうか。空也上人1050年の御遠忌を記念して開催された本展だがパンデミック現在進行中の東京で開催されることに大きな意味を感じた。

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