2020年2月15日土曜日

特別展「出雲と大和」③(石位寺浮彫伝薬師三尊像)

特別展「出雲と大和」で三蔵法師の十一面観音の次に展示されていたのが、
この石位寺浮彫伝薬師三尊だ。藤原定恵が談山神社にもたらした三蔵法師の十一面観音はインドの仏像様式が初唐にもたらされたことが見てとらえるが、その影響が日本に広がった代表として奈良桜井にあるこの石位寺の仏像が展示されていた。図録によると中尊の如来像は袈裟を偏袒右肩(へんたんうけん)にまとい、禅定印を結んで倚座、左右の両菩薩は合掌し中尊側の足をわずかに動かしている。飛鳥から奈良時代に制作された石像だが保存状態がよく風化せずにこの状態を保っているのは奇跡的だ。念入りに彫られている仏像で薄い法衣を通して内部の肉体の起伏がよく表されている。飛鳥時代に多く作られた塼仏の影響を受けており我が国残存石仏のなかでは最古級で最優美な仏像だ。

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