2020年2月11日火曜日

特別展「出雲と大和」②(當麻寺の持国天)

最後の「仏と政(まつりごと)」のコーナーでは権力の象徴が古墳から寺院
に移行したことをうけて鎮護国家の仏像を中心にみていった。その中心に展示されていたのが、當麻寺の持国天だ。當麻寺の持国天はお寺でLED照明のもと見たが、やはり展覧会の照明に照らされた像は大きく圧倒的迫力で迫ってくるようだった。白鳳時代の脱活乾漆像で像高2メートルを超える法隆寺の四天王の次に古い仏像だ。ペルシャ風な髭を蓄えた顔は図録によると中国・唐の長安周辺で流行した神将像の様式に系譜をたどることができる。身に着けた甲冑は朝鮮半島の新羅の神将像と共通することが指摘されている。ひとつの仏像にそのようなグローバルな影響が反映されていることが見て取れるのには驚きだ、後補の光背を外した展示なのでよりスッキリと仏像を鑑賞できてよかった。出雲の四天王も気になるので名残惜しいが次の展示にむかった。

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