2014年8月7日木曜日

奇跡の千手観音

おおい町で2番目に訪れたのが、意足寺だ。タクシーを降りると御住職がここ
ろよく迎えていただいた。この寺からの連絡は出発の前日にいただき、それまで拝観をあきらめかけていたのだが、ぎりぎりで間に合った。頑丈な収蔵庫のなかに1メートルのこぶりな千手観音がおられた。お顔やお体はどっしりとした存在感があり、頭上の十一面や四十二本の手の表現も見事なものだ。細く小さい手にそれぞれ持物をもち細かな表現をしている。御住職の話では昭和二十八年に台風による山嵐(土砂崩れ)の被害を受け、厨子ごと流されたが、観音様はほとんど無傷で発見され、最後に残った手も土地の古老が偶然見つけたとのはなしだ。御住職も「奇跡としか思えない」とおっしゃっていた。伝教大師最澄作と伝わる千手観音の奇跡に驚き、平安時代から変わらぬお姿に感動して寺をあとにした。

0 件のコメント:

コメントを投稿