妙楽寺の二十四面千手観音
おおい町の仏像を午前中に見て、午後からタクシーで小浜の寺を巡った。羽
賀寺の十一面観音に再会したあと、妙楽寺に向った。ここには白洲正子も絶賛した千手観音がおられる。しかも真数千手といって手が千本あり、頭上には二十一面と顔両脇にある菩薩面と憤怒面とあわせて二十四ものお顔をお持ちになっている。憧れていた写真は外に出したお姿であったが、実際のお寺では狭い厨子に収まっている。そのため両脇のお顔もよく見えない状態だった。うす暗いながら正面のお顔はよく見え、上唇はぽってりと厚く、目はおぼろげ。その視線は妖しく、かつ冷たい。美しさに背筋がぞっとする。みうらじゅん氏によるとフェニックスのように空を飛べる観音というのもうなずける。かつては秘仏だったので文句は言えないが、厨子を出たお姿をじっくり見たかった。お寺で観音の写真を購入し次の寺に向った。
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