白洲正子神と仏、自然への祈り展①(ノーブルな十一面観音)
昨日、暴風雨の中世田谷美術館の「白洲正子神と仏、自然への祈り」展に仏像クラブのメンバーで行ってきた。この展覧会は随筆家白洲正子が後半生を通して出会った仏像・神像や面など120点を一堂に会し白洲正子の紀行文とともに見られるユニークな展覧会だった。私はこの展覧会のために白洲正子の「十一面観音巡礼」を読み込んでいたのでゆかりの仏像や神像を目の当たりにできてとてもよかった。展示構成は「自然信仰」「かみさま」「西国巡礼」「近江山河抄」「かくれ里」「十一面観音巡礼」「明恵」「道」「修行の行者たち」「古面」とエッセイの表題ごとになっている。展示品の横には必ず白洲正子のエッセイの一文が添えられており多くの文章と展示品を鑑賞しながらであったためゆっくりと鑑賞できた。NHK「日曜美術館」でも番組をやっていたので展覧会場の様子がわかっていたのでよかった。特に「十一面観音巡礼」のコーナーではいずれも正子独自の美意識に基づいた観音がところせましと並んでいて圧巻だった。中でも正子個人で所蔵していた平安時代の十一面観音はすばらしくテレビで言っていたが、「ノーブル」(気品があり高貴なさま)であるという言葉がぴったりな作品である。化仏が顔も判別できないほどすりへっており、それがこの仏像になんと言えない「気品」を漂わせている。帰りに二子玉川の高島屋のそばやで昼食をとりながら、白洲正子の愛した仏像について熱く語る仏像クラブの面々だった。
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