平成21年の盛夏の7月に仏像クラブで深大寺を訪れた。深大寺のお目当ては、「釈迦如来倚像(いぞう)」という像高わずか60センチの白鳳時代の仏像だ。関東最古の仏像といわれるだけのことはあり、白鳳時代の仏の表情をしており、優美に座すお姿を拝するだけで心が洗われる。椅子に座り静かに微笑む表情がとてもよい。大きな眉が円を描き上瞼(うわまぶた)が弧を造り、小さな口が童子のような表情を示す。同じ白鳳仏では興福寺の仏頭が有名だが、興福寺の仏頭は青年のような凛々しいお顔しているのに対し、深大寺の釈迦如来は幼子のようなあどけない表情だ。指はかけているが、他はほぼ完璧に残っており白鳳仏なのにあまり古さを感じなかった。一説には土の中に埋まったものを掘りだしたといわれている。
苦難の末に、悟りを開いた釈迦は清純な微笑をその顔にたたえるという本に解説されていたが、改めて釈迦の一生について知りたくなった。今年の春に「手塚治虫のブッダ」が映画化され、東京国立博物館でも記念の展覧会が開催される。本作も出展され近くで拝する機会に恵まれるらしい。釈迦の一生を知るいい機会なので足を運んでみようと思った。
0 件のコメント:
コメントを投稿