路地ぶらならまち・きたまち2026年1月の拝観を終えてならまちから奈良国立博物館に向かった。お目当ては「なら仏像館」で昨年末から今年の三月まで期間限定の特別公開されている興福寺伝来の四天王を鑑賞するためだ。この四天王は明治時代まで興福寺に伝来した一具で、広目天がいまも興福寺に残るほかは、滋賀・MIHO MUSEUM、増長天と多聞天が奈良博所蔵となっている。増長天と多聞天の明治時代の修理から100年あまり経過したので、剥落止めなどの修理を施しそれが完成したため、面目を改めた増長天・多聞天を特別公開するとともに28年ぶりに四天王像が一堂に会する展示だった。明治時代の古写真によると興福寺の路傍に雑然と並んでいる興福寺の仏像のなかに快慶の処女作ボストン美術館所蔵の弥勒菩薩とともに増長天・広目天・多聞天の姿があったが、四天王すべてが幸いに国内に残り危うく海外流出を免れたことは幸いだ。四天王は安置堂宇が不明ながら優品として知られており、4躯とも体幹部を一木から彫り出した体躯には充実感がみなぎり、瞳に黒光りする異材を使用し、広目天の邪鬼を塑土で成形するなどの奈良時代から平安時代にみられる古様という技法が用いているのが特色。制作時期は鎧に銅製の装飾を施す、康慶の南円堂四天王像との類似から11世紀から13世紀初頭まで諸説あるが、いまだ定説をみないとのこと。会場ではひとつひとつじっくり鑑賞できたが、像高155センチから170センチの小像ながら迫力があり、特に写真の多聞天は出来映えがよかったと思う。奈良博では時々このような注目すべき展示を短期間で行っているが、注意して今後も見ていきたいと思った。