三重の美仏⑥(朝田寺の地蔵菩薩)
亀山を出て松阪での昼食後向かったのが、東松阪の朝田寺だ。みうらじゅん
の東海美仏散歩には駅から徒歩30分と書かれていたが、とんでもなかった。行けども行けどもお寺らしき建物も見えない炎天下を歩き続けた。やっとの思いで寺にたどりついたのは1時間ぐらいたってからだった。朝田寺の地蔵菩薩のことを知ったのは井上正氏の「古佛」だった。そこには地蔵菩薩の顔面のアップがのっていたのだがその強烈な印象にやられっぱなしだ。本堂に入ると地蔵盆の最中で読経が流れていたので、ご遺族の邪魔にならないよう脇に控えておわるのをまった。平安前期につくられた地蔵菩薩で古式の白檀の代用材カヤの一木造で豪快なクスノキの蓮華座にたっている。神護寺の薬師如来にみられるような畏敬を感じる地蔵菩薩といわれているが、私が見る限りでは穏やかな優しいお顔に見えた。お寺の方が気がついていただいて、寺院内の仏像を説明案内してくださった。どれも平安前期の古仏ばかりで寺の歴史を感じさせた。丁重にお礼をいいまた徒歩で駅まで向かった。朝田寺は伊勢の歴史を感じさせる古刹であった。
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