2020年9月12日土曜日

迦楼羅様、再び

 京博で特別展を見た後、隣の三十三間堂に向かった。12年ぶりの訪問となったが、御朱印が書置きになったり一部変更はあったが千手千眼観音や二十八部衆は変わらず迎えてくれた。ここ三十三間堂は正式名称を蓮華王院といい、平安時代に後白河法皇の命により、平清盛が創建した。蓮華王とは千手観音の別称で鎌倉時代の火災後湛慶が本尊を製作した。しかし日本美術全集によると、二十八部衆は火災のおり救いだされた平安時代の仏像とのこと。今回も多くの二十八部衆を参拝したが、いずれも檜材の寄木造で玉眼を嵌入し彩色截金文様を施すが、やはり迦楼羅像が造形のインパクトも出来栄えもすばらしい。鳥の顔と羽を持ちながら笛を吹く姿勢に自然な動きが感じられ、人間らしい姿と異形の像を巧みに融合している。その姿が何を意味しているかは前回書いたが、それをしっているからこそ迦楼羅の造形にドラマを感じるのかもしれない。創建当初は蓮華王の千手観音を囲むようなフォーメーションで二十八部衆が置かれたとのこと。三十三間堂はよく仏像の配置を変えるので、今度は創建当初のフォーメーションを見てみたいものだ。その時はまた三十三間堂を訪れたいと思う。祇園のハモ丼を食べに三十三間堂をあとにした。

0 件のコメント:

コメントを投稿