2023年11月18日土曜日
2023年11月6日月曜日
大阪奈良仏像の旅①(河内・金剛寺の大日如来)
今日(11月3日)から大阪奈良仏像の旅に出ている。今回の旅の日程をきめた、天野山金剛寺の御開帳に来ている。バス停を降りてすぐ金堂に向かう。格子ごしかと心配したが、遠くからだが、仏に向き合えるのはありがたかった。仏像は中尊が大日如来脇侍が不動明王と降三世明王の三尊形式でどうやら円珍が請来したお経に書いてあるとのこと。中央の大日が定朝様式の優美なお姿、脇侍が慶派の行快作と五十年かけて完成した三尊形式だった。大日の光背には曼陀羅の37尊が、蓮華座の下には七体の獅子が置かれている。明日は奈良で、玉眼が初めて使われた仏像を拝観する予定だ。
2023年11月4日土曜日
大阪奈良仏像の旅②(福智院のプリズム地蔵)
奈良最後のお寺は御開帳をしている福智院にきめた。奈良バスナビの窓口で時刻を教えてもらいバスで福智院町に向かった。窓口にテレビ見仏記御出演の奥様がいて日本最大のお地蔵さまの説明をしてくれた。慶派の康慶が主導して作らせた像高272センチ木造截金文様の鎌倉時代の仏像。光背に地蔵菩薩坐像6体と十王像2体。周縁部に地蔵菩薩立像(後補)560体で567体の5憶7千万年後にやってくる弥勒秘数そのものであった。さらにいえば光背の両脇の最も下には閻魔大王、太山王という死者の国の王たちがいた。お昼すぎに伺ったので、お地蔵様の光背に日の光が当たり、プリズムが虹色に輝いていること(学者先生が3年前に指摘)を一生懸命説明してくれた。福智院は二回目だが、訪れる時間帯により表情を変える仏像に驚かされ、お寺を後にした。
2023年10月29日日曜日
特別展「足柄の仏像」②(大磯六所神社の男神立像)
箱根神社の素晴らしい神像群を見たあと第3章「足柄の山々に抱かれた仏たち」で足柄地方の人々により守り伝えられた仏像のコーナーに大磯六所神社の男神像が立っていた。像高は74センチと小さめで片腕がなく、腕先・足先もない姿だがなんとも雰囲気がある神像に惹きつけられた。神野ノートの神野学芸員の解説によると発見当初は両腕ともに失われていたが、右手の材と背板の下方が社殿より見つかった。右手は垂下することから、右手の持物(宝棒や戟)を執る姿であったと考えられる。眉根を寄せ瞋目(いかりめ)とする。わずかに三道相をあらわす。着甲し、背面に獣皮をあらわし、天衣・袴・短裙を着ける。前楯の帯喰は眉根を寄せ開口し帯を上下の歯で噛む。朝日観音堂の毘沙門天と製作技法が似通っており相模国で仏像・神像を造っていた仏師工房のような存在を想定してもよいかもしれない。とのこと。はかなげに見えたのは壊れていたためだと思うが、「憂愁に満ちた」青年というか眉根を寄せて苦悶する立ち姿に見えた。ネット情報によると神社ではスサノオノミコト、女神像をクシナダヒメにあてているとのこと。神奈川にも魅力的な神像が近くにあるものだと気づかせる展示だった。
2023年10月18日水曜日
熊谷平戸の大仏(源宗寺)訪問記
今週の日曜日、埼玉県熊谷市に平戸の大仏(おおぼとけ)の御開帳に参加した。江戸時代17世紀初頭に九州平戸から移住し薬師如来・観音菩薩が元禄のころ完成した仏像で、1954年に熊谷市有形文化財に指定されたが傷みが激しくクラウドファンディングで保存修理を行った話題の仏像だ。熊谷市観光地図にも掲載されずホームページの地図で迷い迷いやっと源宗寺についた。2021年12月に落慶し真新しい新本堂の中に入って拝観した。以前より色彩が濃く復元され、台座を含めると4メートル近い仏像もいい感じに修復されていた。さすが伊豆の仏像修復に実績のある吉備文化財研究所の仕事だと感じた。木彫による造形美と重厚感が融合した迫力のある寄木造、円形の光背も壮観。表面は金箔の上に黒漆を塗る技法が用いられ光沢を帯びている。平戸の大仏には仏師による彫りの力強さと繊細さを併せ持った美しさがある。その後国宝の聖天山歓喜院晴天殿の観光となり観光ガイドの説明を受け遅いお昼となった。仏像クラブの面々からはもっと多くの人に平戸の大仏を見てほしいという意見も出て夕暮れの熊谷をあとにした。
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