吉野奈良仏像探訪記③(金峯山寺金剛蔵王大権現)
今年のGWは吉野に向かった。ロープウェイの山上駅から坂道を金峯山寺に向かう参道は人影もまばらだったが、世界遺産登録20周年の金峯山寺に着くと大勢の人でにぎわっていた。修学旅行生たちはバスで桜本坊近くの竹林院前からあがってきたためだった。入口で蔵王堂への靴袋付きの拝観料を払い広い畳敷きの外陣に通されたわれわれ善男善女は特別拝観とはいえ内陣には入れてもらえないようだ。蔵王権現は中尊が730cm右尊610cm左尊が615cm天正20年に完成した蔵王堂と同時期の造立。3体とも檜の寄木造で、右手で三鈷杵を振り上げ、右足を蹴り上げた姿。左尊と右尊の左手は指を2本たてた刀印を結んで腰にあてる。作者は山本半蔵門ミュージアム館長によると奈良大仏再興にかかわった俗人仏師の棟梁源次の子が宗印で東京増上寺三解脱門釈迦三尊が代表作として挙げられる。鎌倉時代初期の快慶作品あたりに学んだ端正なまとまりがあり、奈良の地の長い造像伝統が突然花開いた観があると館長大絶賛だ。大きさだけに圧倒されたがまとまりなど抑えており仏師の腕を感じ内陣裏の仏像拝観に向かった。
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