2022年9月23日金曜日
2022年9月18日日曜日
特集「チベット仏教の美術」
9月4日に東博平成館に特集「チベット仏教の美術」を見に行った。東博所蔵のチベット仏教美術を見るのは2017年の東博東洋館依頼となったが、前回は仏像中心であったが今回は仏画・工芸品・書籍の優品と河口慧海の遺族から寄贈されたアジア各地の仏教美術とともに紹介する東博創立150年記念特集となっている。会場に入るとお馴染みのチャクラサンヴァラ父母仏立像の背後にガルバ・ヘーヴァジュラ十七尊曼荼羅が展示されており、インフォメーションでもらったパンフレットの表紙のような心憎い演出がされていたが、前期の曼荼羅と入れ替わっており残念だった。お馴染みの清の乾隆帝が愛した除蓋障菩薩坐像も展示やチベット仏教の胸がふくよかな女神像白色ターラー菩薩坐像に夢中になった。工芸品も見る価値がある展示が多くなかでも盤 白色如意宝珠マハーカーラは延命長寿や繁栄をつかさどるマハーカーラを景徳鎮で焼き上げた逸品となっており思わず引き込まれた。河口慧海請来品のネパールの菩薩立像などもあり小展示室なれど見ごたえ十分な展示となっている。多くの館蔵品を携帯のカメラで撮影して東博をあとにした。
2022年9月3日土曜日
特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」④(満願寺の観音菩薩)
運慶 鎌倉幕府と三浦一族展の中ほどに像高224センチ余りの巨大な観音菩薩・地蔵菩薩が見えた。これが満願寺の観音・地蔵菩薩だ。仏像クラブでは何度もお寺の収蔵庫で拝観したが、展覧会で見るのは東博運慶展以来久しぶりだ。満願寺は三浦一族の佐原義連(よしつら)の創建だが金沢文庫の仏の瀬谷さんは義連創建にその大きさから疑問を呈している。満願寺の菩薩像は周八尺像で通常の丈六像の4分3くらいのサイズ。和田義盛が建てた浄楽寺の本尊ですら半丈六であり、北条時政の願成就院の本尊も半丈六。それは丈六仏の造立は幕府=源頼朝が独占しており、造仏においても鎌倉殿を頂点とした序列化が図られていた。このように考えると満願寺の菩薩像を造ったのは頼朝その人であるという答えが自ずと導き出されると断定している。吾妻鏡にも頼朝のが三浦願矢部郷に一堂を建立したという記事から木造のあった三浦義明のために追善像として頼朝が創建したとのこと。また地蔵・観音の脇侍の組み合わせは珍しいが松崎吉田寺の例を挙げている。つまり満願寺にも丈六の巨大な阿弥陀像があったということになり想像が膨らむ。U案内人も一番印象を受けたらしくしばらくたってからも満願寺観音・地蔵菩薩のことを熱く語っていた。
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