2022年4月24日日曜日
2022年4月16日土曜日
特別展「空也上人と六波羅蜜寺」④(六波羅蜜寺薬師如来)
会場の空也上人と反対側に展示されているのが、薬師如来と四天王だ。まるで一具のように祀られているが、四天王が秘仏本尊十一面観音の眷属である六波羅蜜寺はじまりのほとけに対し、薬師如来は客仏で創建時より少し時代が下り10世紀後半の作でかつてどこかのお寺の本尊として祀られていた仏像だ。西木学芸員によると製作技法からも違いがわかり四天王は一木造り、薬師如来は寄木造りだという。仏師定朝により完成した寄木造りだが、この薬師如来は寄木造りの初期の製作で定朝の阿弥陀如来が前後左右に分かれた財を寄せているのに対し、解体修理時の図録の写真でもわかるように、上半身は左右の二材に脚部は別の材でつくられていた。立像と異なり座像は前方に脚部がはみ出るので別の材で彫ることは珍しくないようです。このような技法が生み出された背景には末法思想が流行した10世紀後半から仏像の需要が高まったという要因もある。限られた時間に多量の仕事に迫られた仏師たちの工夫から寄木が生まれた。細かな表現や技法に注目するとより一層展覧会が楽しめるとの西木学芸員の文章に同感した。これからも仏像見るときその点についても心掛けていきたい。
2022年4月10日日曜日
特別展「最澄と天台宗のすべて」⑦深大寺の慈恵大師像
深大寺には仏像クラブで今回出展の国宝釈迦如来像を拝観に行った。その際HPで秘仏があることを知った。本展のパンフレットをみると「日本最大の肖像彫刻、205年ぶりの出開帳」とあるので興味津々で会場に出かけた。鎌倉時代に制作されたこの肖像彫刻は像高2メータル足らずだが、大きさに圧倒された。皿井学芸員によると高僧は没後遺影がつくられることが多いが、この慈恵大師(元三大師)良源像は作例の数でも他の天台僧を圧倒しており、「鬼大師」「角大師」というバリエーションが生み出され、庶民に親しまれ点もあらゆる宗派の祖師信仰のなかでも特徴的であるとのこと。良源は教学的にも寺院経営でも剛腕ふるった僧侶で没後も比叡山山内にあって不動明王の化身という信仰が生まれた。その大きさに驚かされて会場をあとにした。
2022年4月3日日曜日
入谷浅草大仏巡り(西徳寺阿弥陀如来)
先週の土曜日U案内人の企画で入谷浅草大仏巡りに仏像クラブで出かけた。生誕150年の樋口一葉記念館によってから、以前よりFaceboookで拝観を申し込んだ西徳寺に向かった。お寺の担当者が事務所に待っていてくださり本堂で仏像を拝観させていただいた。西徳寺は京都にある仏光寺の末寺が関東に江戸時代に移転した浄土真宗のお寺で本尊の阿弥陀如来は像高99センチで肉髻珠・白毫に水晶がはめ込まれている鎌倉時代の仏像とのこと。。台東区教員委員会によると典型的に鎌倉初期に活躍した快慶の阿弥陀如来の形だが、本像は基本的にその形に従いながら、着衣の形に変化がつけられている。衣文線の型式化あわせて考えると鎌倉時代後期の製作と思われるとのこと。私は顔の形から京都国立博物館でみた南河内金剛寺の大日如来を思い出した。平安時代の作だが脇侍の不動明王を快慶弟子行快が製作したことから東寺の帝釈天のように行快も平安時代の大日如来を補修したかもしれない。そうなると京都由来の阿弥陀如来の製作が行快かもしれないと思った。お寺の方に御朱印をお願いすると西徳寺の伝来と寺宝の写真が載っている「西徳寺物語」を用意いただいており一同感激してお寺をあとにした、その後浅草に満開の桜を見ながら、金銅製の地蔵や釈迦如来などの大仏巡りをし浅草寺近くのそば処「十和田」にて大いに盛り上がった仏像クラブの面々だった。
登録:
投稿 (Atom)