特集「行道面 ほとけを演じるための仮面」
令和六年新指定国宝重文展鑑賞後、U案内人たちと26日までの開催している特集「行道面 ほとけを演じるための仮面」を鑑賞した。行道面とは寺社で行われる法要(通称お練り)で使用された 面で仏教の守護神八部衆や二十八部衆の仮面をつけ練り歩く法要だ。當麻寺のお練りは有名だがここに展示されている快慶作浄土寺菩薩面も浄土寺で行われているお練りで以前使用されていたもの。浄土寺には快慶作阿弥陀如来(裸形)が残されており、この菩薩面を被った僧たちが阿弥陀如来に着物を着せ台車で運び来迎会という行事を明治になるまで執り行われていたようだ。展示ケースをみると様々な表情の菩薩面があり興味深い。左側の二面は笑顔で頬がふっくらとしており、「その24」は歯さえ見せている。「その24」で注目すべき点は眉の部分がくりぬかれていることだ。演者の僧たちは目の穴で視界を確保するが、眉が彫り込んであれば息もしやすく実用的な工夫だ。右側の二面は頬がすっきりした死者を迎えるおごそかな雰囲気の表情だ。快慶のもと複数の仏師が制作したとみられる。どれが快慶自ら製作したかわかっていないが、頬がすっきりした表情が快慶らしさを感じ、頬がふっくらとして落ち着いた雰囲気が運慶や康慶にちかい雰囲気ともいえるかもしれない。近づいてじっくり法会で使われている様子を想像して鑑賞した。他の和歌山の神社の持国天や毘沙門天・夜叉天から五部浄まで様々な行道面が鑑賞でき大満足な一行は東博をあとにした。
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