特別展「相模川流域のみほとけ」②龍峰寺千手観音
海老名市にある龍峰寺は毎年元旦と3月17日に御開帳があるが仏像クラブで日程があわず行けずじまいになっていた。神奈川県立歴史博物館で開催された「相模川流域のみほとけ」展で初めて展示されることとなり、U案内人と出かけた。神野学芸員が言っていた翻羽式衣文が裙(くん)に表されていた。清水式千手観音で像高は頭上の手まで含めると193センチと2メートル近い巨像だ。目には玉眼が嵌入されていてそのことから鎌倉時代に古像を模刻されたと評価されていた。構造はカヤ材を用いた一木造りで、伝説では坂上田村麻呂の協力した清水寺の千手観音と同時につくられ鎌倉時代に源頼朝によって発見されて堂宇に収められたとなっているが、あえて奈良時代と断言した神野学芸員の主張がよく理解できなかった。この件につては「ほとけの瀬谷さん」が「運慶と鎌倉仏像」ですんなり答えてくれた。「本像は国分寺ゆかりの古代の観音像を中世に清水式に改めた可能性がある」とのこと。短い文で端的に説明した瀬谷さんにさすが運慶の第一人者を感じた。県立の金沢文庫と歴博で多くの仏像展が開催されることを期待している。
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