2019年5月18日土曜日

特別展 国宝東寺②(金剛業菩薩)

特別展国宝東寺の最大の見どころは仏像曼荼羅であろう。仏像曼荼羅は立体
曼荼羅とも呼ばれ平面に絵で描かれていた曼荼羅を初めて多くの仏像を規則正しく並べる曼荼羅の世界を約1200年前の京都に出現させた空海プロデュースの仏像空間だ。本展では講堂の仏像21体のうち、なんと15体が東博にお出ましになるとのこと。平成23年の「空海と密教美術展」では来なかった五仏のうち4体と国宝の菩薩4体もすべて揃いじっくりと味わうことができた。普段講堂の後ろの薄暗いところに安置されている一番保存状態がよい金剛業菩薩も360(サブロクマル)で拝観できた。金剛業菩薩をはじめとする四菩薩は平安時代の一木造りの名品でペースト状の木屎漆を塗って毛筋彫りをほどこすなど、天平時代の技法を引き継いでいる。四菩薩それぞれいいのだがやはりグッときたのが金剛業菩薩だった。最近読んでいる「ミズノ先生の仏像みかた」の著者水野先生によると「五菩薩の両ひざが台座の蓮華座からはみ出ているのは奈良時代までにはなかった新しい形で、像が身を乗り出してくるような動きと力を感じさせます」とのこと。仏像の迫力を会場で感じたのはそのことが理由だと納得した。知れば知るほど魅力的な仏像曼荼羅だった。


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