福島いわき仏像巡り:後編
東北出身の会員より何年も前から、白水阿弥陀堂への訪問を提案いただいた
が、遠いことなどを理由に実現には至らなかったが、常磐線の品川駅開通や仏像クラブ発足10周年記念など環境が整い、実現の運びとなった。いわきの北部にある薬王寺からいわき市街地を通らないバイパスで一路白水阿弥陀堂に向かう。阿弥陀堂に着くとそこは池に囲まれた公園になっており、東日本大震災をきっかけに原発事故などにより遠のいた観光客をなんとか取り戻そうとしている福島の人々の願いが込められているのを感じた。京都の平等院・浄瑠璃寺・法界寺、大分の富貴寺、平泉の中尊寺や宮城の高蔵寺など多くの国宝阿弥陀堂で定朝風阿弥陀如来見てきたが、ここ白水阿弥陀堂も奥州藤原二代基衡の娘徳姫が亡き夫の冥福を祈って、故郷平泉の金色堂に模して創建したと伝えられている。「白水」は「平泉」の「泉」より取ったと説明の僧侶の話にあった。正面に平安時代後期の定朝風の阿弥陀三尊と前方に二天像を安置している。向かって右側の持国天の鼻筋が通っているのが印象に残った。おりしも浄土庭園の池には、ハスの花が咲き始めており帰り際にそれを鑑賞してからタクシーに戻った。湯本の寿司屋で昼食をとり、本日のいわきの仏像巡りについて熱く語る仏像クラブの面々だった。
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