璉珹寺の阿弥陀如来
5月に奈良に行ったとき、福智院へ向かう道すがら「璉珹寺御開帳」と達筆
で筆で書かれた紙を何度も見かけた。「璉珹寺」とは「見仏記」でみうらじゅん氏がイラストを描いた半身裸の阿弥陀如来がいらっしゃるお寺だと気づき、福智院の後急遽訪問することにした。お寺にはご開帳の日らしく大勢の檀家の方々が詰めかけており、本堂に招かれた。中には中央に半裸の阿弥陀如来、右には観音菩薩が祀られていた。阿弥陀如来は顔も体も白っぽい肌色に塗られていて艶めかしく、下半身にはいたハカマは絢爛たる柄物。顔の造作は大きく、ゆえにおおらかさや慈愛が強調されている。頭髪のゆるいうねりは縄状で清凉寺式なのだが、それがこの仏の場合パーマのようにも感じられて女性的に見える。一説には光明皇后がモデルだともいわれるのは当然のことだろう。本尊の右に、黑く締まった体つきの観世音立像があり、こちらは少し吊り目で精悍な顔つきをしていた。お寺のかたによると東博で開催された仏像~一木に込められた祈り展に出展されたことがあるとのこと。みうらじゅん氏によれば「ダルビッシュ系」だそうだ。思いがけずいい仏に出会え結縁できたことに満足して奈良駅に向かった。
0 件のコメント:
コメントを投稿