特別展忍性菩薩
現在、神奈川県立金沢文庫で特別展「忍性菩薩」が開催されているので、紅葉狩りをかねてでかけた。金沢文庫に併設されている称名寺の池のほとりの紅葉は見ごろになっており、鴨が池であそんでいる写真をSOLIVE24に投稿してから、閉館時間がせまっている金沢文庫に急ぎ向かった。忍性は密教と戒律を兼ね備えた真言律の教えを広めた叡尊の弟子で関東に下向し鎌倉極楽寺を主な拠点として教えをひろめつつ、病人のための施設を造るなど社会貢献のさきがけを行った僧だ。仏像クラブで4月8日の御開帳日にみた極楽寺の清涼寺式釈迦如来立像や十大弟師、転法林印の釈迦如来、涼しい目元が理知的な文殊菩薩が展示されていた。西大寺の末寺称名寺からは清涼寺式釈迦如来と十大弟師が展示されており、極楽寺像と比較できておもしろかった。普段金沢文庫に保管されている称名寺の像のほうが圧倒的に保存状態はよいが、釈迦如来の顔で比較すると極楽寺のほうがよかった。珍しいところでは茨城の観音寺から鎌倉時代の鉄製如意輪観音が展示されており、以前TV見仏記鎌倉編で行っていたが、京都奈良の文化に対抗すると鉄製に行き着いたという関東仏の特徴が見られる仏像だった。奈良博で展示されていた奈良般若寺の文殊菩薩や茨城福泉寺のもうひとつの清涼寺釈迦如来が展示されなかったのは残念だがそれなりに楽しめて、紅葉に染まる称名寺を抜けて金沢文庫をあとにした。
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