みちのくいとしい仏たち⓸(宝積寺六観音)
会場の中ほどが「いのりのかたち宝積寺六観音像」のコウナーで展示品はこの六観音のみ。しかし横一列に自立している姿は印象的で江戸時代の儀軌にとらわれないおおらかな六観音だ。背中の墨書で尊名はわかるが、ここまでこだわりがない仏像は稀有だ。手が2本しかない千手観音や帽子を被った馬頭観音など実に自由だ。しかもこの表情ひとのよいおじさんたち総出演という感じだ。みちのくいとしい仏たち展の図録では仏像ひとつひとつの解説がされており、六体中もっとも凛々しいのが十一面観音とか菩薩より金剛童子や荒神像を思わせる准観音など仏像とみちのくの心に寄り添う解説となっている。今回の展覧会で印象に残った仏像たちだった。
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